保育内容 | 学校法人広島女学院 広島女学院ゲーンス幼稚園

APPROACH

保育内容

  • キリスト教保育

    「ありのまま」「自由」「主体性」「自然とのふれあい」…様々な言葉でゲーンス幼稚園らしさが語られていますが、一言で表すとすると「キリスト教保育」の園です。聖書の言葉によって広島女学院とゲーンス幼稚園は建てられ、その教育・保育が組み立てられています。キリスト教保育の原点は、子どもたちも私たち大人も、神様に愛されている存在であるということ。子どもたちのまるごとをよしとする前に、私たち大人も「ありのまま」でよいとされています。このことを土台に、私たち大人が子どもを無条件で愛し、その子がその子らしい幼児期を、身近な環境、他者とのかかわりの中で過ごす、これがキリスト教保育です。

  • 自由保育と呼ばない理由

    本園では「自由保育」という言葉を極力使用しないようにしています。様々な誤解を招くからです。「自由」とは、一面を切り取ったにすぎません。その子がその子らしく育つことを大切にしたい、主体的な活動を重視したい、その願いと実践の中に「自由」な側面があるということです。「自由」には「責任」が伴い、「自由」の実現には「不自由」がつきものです。一般的に「自由保育」と称されるものは、「自由感あふれる生活環境」もしくは、「主体的な活動を通して様々な責任を感じることができる生活」と言い換えることができます。が、そのように多くの言葉を使うことなく「キリスト教保育」と言い表すことでよいのです。

  • 自然とのふれあいを大切にする理由

    「空の鳥をよく見なさい」(マタイ6:26 ルカ12:22) 神様の創造された自然とふれあうことは、神様の愛を感じ、知恵にふれ、不思議や驚きやはかなさやかけがえのなさを感じる出会いにあふれています。人間の思いの及ばないほどの長い年月をかけて淘汰されて今ある自然の姿は「あるべき姿」であり、「神様の知恵」が形となったものであり、「生きる意味」や「大切にすべきもの」「生きる力」「人はどう生きるべきか」のメッセージにあふれています。

  • 「ありのまま」から始まるその子らしい幼児期とは
    一個性の重視と社会性の醸成

    「あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。」(新共同訳 コリントⅠ 12:12) 「個性」や「自己肯定感」の大切さを呼びかける意味で「みんなちがってみんないい」というメッセージが昨今、多くの歌やエッセイなどを通して、社会全体にあふれています。その原点が上記の聖書の言葉です。が、「みんながちがっていていい」で終わる言葉ではありません。ちがっていること、お互いがかけがえのない存在であることを認め合い、つながり、全体としての調和や統一「一人ひとり」と「みんなとともに」は、保育の世界では矛盾・葛藤する概念ではなく、保育の両義性として、どちらも大切にされているものです。今注目されている「非認知能力」とは、「ありのまま」が認められ「自分は愛されている存在」「どのようなことが起こっても自分は価値がある人間」という「ぶれない個」と「人は信じてもよい存在」「他者に頼ることができる自分」「他者とつながる」という「他者への信頼感」この二つの力、「自己と社会性の力」のバランスのとれた状態であると言われています。これは、教えて育つもの・プログラミングできるスキルではなく、「ありのまま」からはじまる、身近な環境とかかわり、他者とかかわる生活の中で育まれていくものなのです。

  • 身近な環境(ヒト・モノ・コト・トキ)とは

    幼児期の教育は「環境を通して行う」と、幼稚園教育要領第1章総則に明示してあります。この環境とは、物的、空間的な要因だけを指すのではなく、子ども同士が出会い織りなす出来事、文化的な環境をも含んでいます。園の施設、1年間の季節の移り変わりと生活、園周辺の環境、園内外の人とのかかわり、「ヒト・モノ・コト・トキ」これらを通して子どもが育つことを支える、これが幼児期の教育です。

  • 他者とのかかわり

    最も大切な環境要因は「人」です。同時に、最も思い通りにならない存在が「人」でもあります。幼児期の生活は、「自由感」あふれると同時に「不自由」に頻繁に遭遇する生活でもあります。他者と出会うことで、「自由」を求める存在が自分以外にもいることと遭遇します。「仲良く」や「共同」は、先どってあるものではなく、「他者との遭遇」から「葛藤」を経験した上で、自らたどり着く関係性です。まず大切なのは「自分を出す」ことです。そこから先の衝突や葛藤に、丁寧に寄り添いながら、自らたどり着くその歩みを見守り、時には支えることが保育者の大きな役割であり、実は、子どもにとって保護者が最も大切な環境要因であることを胸に刻んで子どもたちと向き合いたいと願っています。

SCHEDULE

教育課程

本園は、みんなちがってみんないいこと、
見えないものに目を注ぐこと(コリントⅡ 4:18)
小さいものを大切にする(マタイ18:1~14)
みんなちがってみんないい(コリントⅠ 12:12~27)
3つの聖書の言葉を大切にしながら平和を創り出すため(Cum Deo Laboramus)に、 教育課程を組み立てています。

  • まるごとの自分を出す

    ほとんどの子どもたちが、初めて家庭を離れ、子どもの群れの中で過ごすことになります。緊張や不安から解き放たれ、ありのままの自分が受け入れられ、安心して過ごせることを大切にしています。保育者や友だちとの出会いを通して、家族や自分とはちがう存在を知り、クラスという大きな家族のかけがえのない一人としてともに遊び、ともに生活していきます。

    3歳児教育課程(PDF)
  • 周りの人やものと
    関わる中でお互いを
    大切に過ごす

    まるごとの自分を出せるようになった子どもたちは、ぶつかり合いも経験します。自分の思いを表すことの大切さを感じ、言葉で伝え合うことができるように援助します。一人ひとりを大切にする保育者の姿勢が子どもたちにも伝わり、互いに個性を認め合い、許し合い、支え合える集団へと育っていきます。

    4歳児教育課程(PDF)
  • 生活を創り出す

    積み重ねてきた生活体験とそこで育まれた自信から、与えられたプログラムや遊具・教材がないところからでも遊びを創り出し、次の活動へとつなげていきます。園生活そのものを創り出すことができるようになってきます。それを支えているのが、葛藤を乗り越えてつながり合うことができる仲間や保育者との信頼関係です。

    5歳児教育課程(PDF)